💡 「ドメインの取得って、サイトで名前を買うだけじゃないの?」
実は、その購入が完了するまでに 3つの組織 がバケツリレーのように連携しています。このガイドブックでその仕組みを一から理解しましょう。
ドメイン業界の三層構造
3つのエンティティ(主体)が役割分担して管理しています
レジストリ
Registryドメイン種別(.jp, .com など)ごとの中央データベース管理者。1つのTLDにつき1組織だけ存在します。
🏛️ 例:JPRS(.jp)、Verisign(.com)レジストラ
Registrarユーザーからの申請を受け付け、レジストリへ登録を代行するICANN認定業者。世界中に多数存在。
🏪 例:お名前.com、Cloudflare、Google Domainsレジストラント
Registrantドメインを実際に取得・使用する登録者(あなた自身)。レジストラのサービスを通じて申し込みます。
👤 あなた・会社・団体 などレジストリ(Registry)の役割
不動産で例えるなら「法務局」のような存在
データベースの維持管理
そのドメイン(例:.jp)が「誰のものか」「どのサーバーを指しているか」というマスターデータを保持・管理します。
ルールの策定
取得条件(例:.jp は日本国内に住所があること)など、そのドメインを利用するためのルールを決める権限を持ちます。
DNS(ルート)の管理
ドメイン名をIPアドレスへ変換するDNSシステムの最上位部分を担当。世界中でそのドメインが解決できるよう管理します。
主なレジストリの例
レジストラ(Registrar)の役割
不動産で例えるなら「仲介ショップ」のような存在
ユーザーの窓口対応
一般ユーザーはレジストリと直接契約できません。レジストラが窓口となって登録・更新・移管の手続きを代行します。
価格競争とサービス
販売価格を自由に設定でき、レンタルサーバーやメール、SSL証明書などをセット販売してサービスを競い合っています。
管理ツールの提供
ドメインのネームサーバー設定・WHOIS情報の更新・自動更新設定など、便利な管理コンソールを提供します。
ICANNによる認定制度
.com / .net / .org などのgTLD(汎用TLD)を扱うには、ICANN(インターネットの国際管理組織)から認定を受ける必要があります。この認定によって、レジストラの信頼性と技術的能力が担保されています。
レジストリ vs レジストラ 比較表
2つの役割の決定的な違いをひと目でチェック
| 比較項目 | 🏛️ レジストリ (Registry) | 🏪 レジストラ (Registrar) |
|---|---|---|
| 立場・役割 | 卸売業者・管理者 | 小売業者・代理店 |
| 数 | 1つのTLDにつき1社のみ | 世界中に多数(認定制) |
| 主な業務 | データベース運用、DNSの維持 | 販売、顧客サポート、料金回収 |
| 一般ユーザーとの接点 | 直接関わらない | 直接契約・対応する |
| 価格設定 | レジストラへの卸値を設定 | 販売価格を自由に設定 |
| 認定機関 | ICANN / 各国ccTLD当局 | ICANNによる認定(gTLDの場合) |
ドメイン登録の流れ
申し込みから「世界中で使える状態」になるまでのステップ
ユーザーが希望するドメイン名を検索する
レジストラ(例:お名前.com)のウェブサイトで「example.jp が空いているか」を検索します。
レジストラがレジストリへ空き照会を行う
レジストラはリアルタイムでレジストリのデータベースに問い合わせ、そのドメインが未登録かどうかを確認します。
ユーザーが申し込み・料金を支払う
空きが確認できれば、ユーザーはレジストラのサービスで申し込み手続きと支払いを行います。
レジストラがレジストリへ登録申請を送る
支払い確認後、レジストラはあなたに代わってレジストリのデータベースへ登録申請を送信します。
レジストリがデータベースに書き込み → 世界中で使えるようになる!
レジストリがマスターデータベースに情報を書き込むと、DNSを通じて世界中からそのドメインにアクセスできる状態になります。⚡ 通常は数分〜数十分で反映されます。
初心者がよく混同する「リセラー」とは?
レジストラと似て非なる存在 — 違いを正しく理解しましょう
| 比較項目 | 🏪 レジストラ | 🏬 リセラー(Reseller) |
|---|---|---|
| ICANN認定 | ✅ 直接取得している | ❌ 取得していない(レジストラ経由) |
| レジストリとの関係 | 直接契約・直接通信 | レジストラ経由で間接的に登録 |
| よくある例 | お名前.com、Cloudflare | 町のWeb制作会社、ホスティング会社など |
| ユーザーへの影響 | 基本的に安定 | 業者が廃業するとサポートが止まる場合も |
注意ポイント:リセラーの場合はバックにどのレジストラがいるか確認しよう
Web制作会社などのリセラーでドメインを取得した場合、実際の登録はバックのレジストラが行っています。もし制作会社が廃業しても、レジストラに直接連絡できる手段を確保しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
初心者からよく寄せられる疑問をまとめました
Q. レジストラはどこを選べばいいですか?
価格・サポート・管理画面の使いやすさで選ぶのがおすすめです。日本語サポートを重視するなら お名前.com・ムームードメイン、低価格・高機能なら Cloudflare Registrar(原価販売が特徴)、シンプルに使いたいなら Google Domains(現 Squarespace Domains) などが人気です。
Q. 一般ユーザーがレジストリと直接契約することはできますか?
原則としてできません。レジストリはレジストラのみと取引する「卸売業者」だからです。例外として、一部の国別TLD(ccTLD)では直接登録できる場合もありますが、一般的なケースではレジストラを通じた申し込みが必要です。
Q. ドメインを移管(レジストラを乗り換え)できますか?
はい、できます。「ドメイン移管(Transfer)」と呼び、認証コード(Auth Code) を使って別のレジストラへ移す手続きです。移管後も、レジストリのデータベース上の情報は同一です(ドメイン名は変わりません)。ただし登録から60日以内は移管できないルールがあります。
Q. レジストリが廃業したらドメインはどうなりますか?
ICANNはレジストリが業務停止になる事態に備えた緊急移行計画(Emergency Backend Operator)を整備しています。実際にレジストリが突然消えてドメインが使えなくなる、という事態は非常にまれです。一方でリセラーや小さなレジストラが廃業した事例はあるため、WHOIS情報の管理や認証情報の保管が大切です。
Q. .jp と .com ではレジストリが違うのはなぜですか?
ドメインの種類(TLD)によって、管理の性質が異なるためです。.jp のような国別TLD(ccTLD)は各国の機関が管理し、.com のような汎用TLD(gTLD)はICANNが入札・委託した企業が管理します。それぞれの TLD に「1つのレジストリ」が割り当てられるのが原則です。
Q. 「WHOIS情報」とは何ですか?なぜ重要?
WHOIS(フーイズ)は、ドメインの登録者・管理者・有効期限などが公開されている照会データベースです。誰でも検索できるため、スパムや詐欺に悪用されるリスクがあります。そのため多くのレジストラはプライバシー保護サービス(WHOIS代理公開)を無料または有料で提供しています。